2024年5月8日

Gartner、世界のデータ/アナリティクスのリーダーを対象にした最新の調査結果を発表―61%の組織がAIテクノロジの影響を受けて、データとアナリティクスのオペレーティング・モデルを進化させている

「ガートナー データ & アナリティクス サミット」(5月21~23日) において、データ/アナリティクス (D&A) リーダーがデータ、アナリティクス、AI間の相乗効果をどのように創出できるかをアナリストが解説

 

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、世界のデータ/アナリティクスのリーダーを対象にした最新の調査結果を発表しました。本調査では、61%の組織が、破壊的な人工知能 (AI) テクノロジの影響を受けて、データ/アナリティクス (D&A) のオペレーティング・モデルの進化や再考を余儀なくされていることが明らかになりました (グローバルでは2024年4月29日に発表しています)。

Gartnerの年次調査「最高データ/アナリティクス責任者 (CDAO) サーベイ」は、世界各国のCDAO、最高データ責任者 (CDO)、最高アナリティクス責任者 (CAO) 479人を対象として、2023年9~11月に実施しました。

ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリストのアラン・D・ダンカン (Alan D. Duncan) は、次のように述べています。「D&AテクノロジとAIテクノロジの急速な進化を受け、CDAOはオペレーティング・モデルの変革を早急に推し進めています」

CDAOが対応を急いでいるのは、データ・ガバナンスを中核に据えたデータ・ドリブンなイノベーションを支援し、組織のアジリティ (俊敏性) を加速させるためです (図1参照)。

図1:イノベーションを追求するD&Aオペレーティング・モデルの進化
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出典:Gartner (2024年5月)

D&Aオペレーティング・モデルを現在および将来の目的に適したものにするために、CDAOはどのような変更を加えるべきかを尋ねたところ、CDAOの38%が、今後12〜18カ月の間にD&Aアーキテクチャを抜本的に見直すと回答しました。回答者の29%は、データ資産の管理方法を刷新し、ガバナンス・ポリシー、プラクティス、標準を採用/適用すると答えています。

CDAOの責任は拡大している

ダンカンは次のように述べています。「組織のD&Aオペレーティング・モデルの管理は年々増大していますが、データ・ガバナンス、D&A倫理、データ・リテラシー/AIリテラシーなど、AIの主な実現要因の多くに対して責任を負う役割は、CDAO以外にありません。予算とリソースの制約の問題が深刻になるにつれ、CDAOの役割の責任範囲も拡大しています」

CDAOが担う主な責任は、D&A戦略の管理 (74%) とD&Aガバナンス (68%) です。また、AIに対する説明責任を果たすこともCDAOの重要な課題です。調査では、CDAOの49%が、生成AIは自身の主な責任の範囲に含まれると回答しています。AIは、CDAOの58%にとって責任の範囲内であり、この割合は2023年の34%から増加しています。

CDAO はD&Aへの資金提供のあり方を交渉する必要がある

責任の拡大はCDAOにとって大きな代償を伴います。前年比で資金が増加したと回答したCDAOのうち、46%は予算の制約が課題であることに変わりはないと答えています。ダンカンは次のように述べています。「最高財務責任者 (CFO) に対し、より優れたビジネスケースを提示できるCDAOは、D&Aイニシアティブへの資金提供をいち早く受けることができます。また、経営幹部の強い賛同も得られます」

CDAOは、D&Aの資金提供モデルを変更することで、組織の有用性/実現性/推進力としてのD&Aの価値提案の比率にどう影響が及ぶかをCFOに説明しなければなりません。ダンカンは次のように述べています。「一方で、調査対象となったCDAOのうち、ステークホルダーがD&Aの価値を追跡できるような、ビジネス・アウトカム・ドリブン・メトリクス (ビジネス成果主導型の評価指標) を確立しているCDAOは49%に過ぎません。さらに、34%はD&Aのビジネス成果型の評価指標を確立していません」

CDAOは目標達成のために、自身の力と影響力を高める必要があります。また、組織の価値推進要素と問題点を隅々まで把握して取締役会に示さなければなりません。ダンカンは次のように述べています。「2026年までに、組織全体への影響力と測定可能なインパクトを最優先課題としないCDAOの75%は、テクノロジ部門に吸収されることになるでしょう」

シニア ディレクター アナリストの一志 達也は次のように述べています。「本調査は、日本からも76人が回答者として参加しています。日本の回答者と、それ以外の海外の回答者の回答内容を比較すると、日本企業における人材やスキルの枯渇感は、海外企業と比較しても2倍以上となっており、深刻さが浮き彫りとなりました。また、IT、セキュリティ、D&A、DXと幅広い役割を単独のリーダーが担う結果、その役割や責任が曖昧になっていることもわかりました。D&AやAIのような先進的で専門性の高い取り組みのリーダーは、できるだけその役割や責任範囲を明瞭にし、経営戦略に直結したビジネス成果を出せるよう、経営層と密接なコミュニケーションを行える立ち位置でいる必要があります。そのためには、経営層から信頼され期待を持たれる存在となれるよう、その価値をわかりやすい形で示すことが求められます。この一見すると矛盾する問題に対処できるリーダーは貴重ですが、成功している先駆者は例外なくそうしたリーダーが活躍しています」

Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「CDAO Agenda 2024: Become a Driver of Business Value」で詳細をご覧いただけます。
また、Gartnerのウェビナー「Gartner CDAO Agenda 2024: Reinvent Yourself as a Leader or Risk Failure」をオンデマンドでご視聴いただけます。

日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

Gartnerは来る5月21~23日に「ガートナー データ & アナリティクス サミット」(会場:グランドニッコー東京 台場) を開催します。本サミットでは、トレンド技術の活用によるビジネス成果の獲得や、積年の課題にD&Aリーダーとしてどう立ち向かっていけばよいのか、人材の確保や組織の構成といった新たな悩みをどう解消すればよいのかなど、広範囲にわたるD&A関連のトピックを解説します。コンファレンスのニュースと最新情報は、X (旧Twitter) でご覧いただけます (#GartnerDA)。

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Gartner for Data & Analytics Leadersは、CDAOとデータ/アナリティクス・リーダーがD&A戦略とオペレーティング・モデルの実装を加速させてビジネス価値を高めるのに役立つ、実用的かつ客観的な洞察を提供するサービスです。詳細については、https://www.gartner.com/en/data-analyticsでご確認いただけます。

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